この記事では1章被害者である舞園さやかの通信簿イベントをまとめています
通信簿-1
スキル：美声 SP3
相手の発言を破壊した時の与えるダメージ上昇(マシンガントークバトル)
舞 あの、苗木君…
少しだけ、私の話を聞いてもらってもいいですか？
苗 ど、どうしたの…？ 急に改まっちゃって…
舞 あのですね…急に改まっちゃって言いますけど…
私、苗木君の事を、頼りにしてますから。
苗 …え？
舞 苗木君がいてくれた事が、本当に心強いんです。
もし、苗木君がいなかったら、どんなに心細かったか…
こんな災難に巻き込まれたのは怖いですけど、でも苗木君がいるから、なんか安心なんです。
苗 舞園さん…
(あの舞園さんから面と向かって、そんな風に言われるなんて…
嬉しいけど…さすがに照れるな…)
それは、ボクも同じ気持ちだよ…舞園さんがいてくれて助かってるよ…
舞 ホントですか！？
うふふ、お世辞でも嬉しいですよ…
苗 (舞園さんの笑顔…
ボクの心を和ませてくれる不思議な笑顔…
お世辞なんかじゃない。この笑顔のお陰でボクは助かってるんだ。)
舞 …でも、なんだか不思議ですね。
まさか、苗木君とこんな風に仲良く話せるとは、思っていませんでしたから…
中学校の時は、私と話してくれないどころか、あんまり目も合わせてくれなかったでしょう？
苗 だって、舞園さんは有名人だしさ…あんまりジロジロ見る訳にも…
…って、あれ？ どうして知ってるの？ ボクが目も合わせなかったって…
舞 私が苗木君の事を、ちょくちょく見ていたからですよ。
苗 …え？
舞 ずっと、苗木君に話しかける機会をうかがってたんです。
苗 ボクに…話しかける機会を…？
舞 だけど、私の周りにいつも人がいたせいで、結局、話せずじまいで卒業…
それが心残りだったんです。
苗 でも…どうしてボクなんかに…？
舞 中学1年生の時…学校の池に大きな鳥が迷い込んできましたよね？
苗 (そう言えば、あったかも…そんな事…)
舞 日本の昔話にもよく登場して、なんとかは千年、亀は万年…って鳥ですよ。
苗 (中学1年生の時に…学校の池に迷い込んできた大きな鳥か…
あれって、確か…)
…鶴だよね。学校の池に鶴が迷い込んで来たんだ。
舞 すごかったですよね。だって鶴ですもんね。
あんまり大きな鳥だから、先生も驚いて、何も出来なかったのに…
…苗木君が逃がしてあげたんですよね？あの鶴を学校の裏の森まで…
苗 (飼育委員だったせいで…無理矢理やらされただけだけど…)
舞 あの時のお礼…今、言わせてもらってもいいですか？
苗 …お礼？
舞 私があの鶴なんです。恩返しに来ました。布を織らせてください…
…なんて、冗談ですよ。
苗 うん…わかってるよ…
舞 でも、私が感心したのは本当ですよ。
だから、そんな苗木君と、一度、話してみたかったんです。
それが、こんな形で実現するとは、思ってもいませんでしたけどね…
苗 (もし、これが街中だったりしたら、ドラマチックな再開になったのかもしれないけど…
でも、その舞台が…こんな不気味な学園じゃな…)
舞 …でも、私は思うんです。
あの時の鶴みたいに、きっと苗木君が私の事を救ってくれるんだって。
ただの勘かもしれませんけど、なんか、そんな気がするんです。
苗 (ボクが…舞園さんを救う…？)
うん、頑張るよ。それが、ただの勘で終わらないように…
ボクに出来る事があれば、なんでもするつもりだよ。
舞 もちろん信じてますよ。だって、私の勘はすっごく当たるんです。
…エスパーですから。
うふふ、冗談ですよ。
苗 (そう言って、舞園さんはまた笑った。
彼女との距離が近くなればなるほどその笑みがボクの力になっていくような…
…そんな気がした。)
通信簿-2
舞 ところで、苗木君に1つ質問があります。
苗 また急に改まって…どうしたの？
舞 また急に改まって聞きますけど…
苗木君って彼女はいるんですか？
苗 え…ええっ！？
な、なんで、急にそんな事…！？
舞 あれ、焦ってます？
つまり、いるって事ですか…？
苗 い、いや…いないよ！
彼女なんて…まだ全然だよッ！
舞 …じゃあ、好きな人は？
苗 ちょ、ちょっと待ってよ！
さっきから、どうしたの？なんで、そんな質問するの？
舞 気になったから聞いてみただけですよ。ダメですか？
苗 ダ、ダメって言うか…
舞 でも…気になって当然じゃないですか…だって、苗木君は…
苗 (ボ、ボクは！？)
舞 …同じ境遇にいる仲間同士なんですから。
苗 (仲間…)
舞 でも…本当はそれだけじゃありません…
私と苗木君は仲間を超えた…
苗 (…仲間を超えた！？)
舞 友達ですもんね。中学時代からの。
苗 (そう…だよな…
うん、友達だよな…もちろん、そうだよな…)
舞 ………………
…苗木君は聞いてくれないんですか？
苗 え？ 何を？
舞 何を…じゃなくってですね…
私に彼氏がいないかですよ。
苗 (正直、聞きたいけど…聞きたくないって言うか…)
舞園さんなんて色んな人からモテるだろうし、やっぱり…いてもおかしくは…
舞 ブブーッ！ 彼氏なんていません！
…って言うか、忙しくて作るヒマないって言うのが、本当なんですけどね…
苗 じゃ、じゃあさ…
好きな人…とかは…？
舞 …うふふ、どうでしょうね？
気になる人なら…いますけど…
苗 (舞園さん真っ直ぐボクの目を見つめていた。その頬はほんの少し赤らんでいるようにも…
…え？ ボクを見つめて？)
舞 でも、その気持ちはしばらくしまっておきます。ここから出ることが最優先ですもんね。
苗 う、うん…そうだね…
舞 …苗木君、絶対に一緒にここから出ましょうね。
私の事…裏切らないでくださいよ？
苗 も、もちろんだよ…！
ボクが舞園さんを裏切る訳ないじゃないか！
舞 苗木君…今から言うのは私の本心です。偽ることのない本心です…
やっぱり…苗木君がいてくれて良かった…
苗 (その笑顔を目にした途端、ボクの全身に力が満ち溢れていくようだった。
舞園さんの笑顔が、ボクの力に変わっていくようだった。
彼女と仲良くなれたお陰で、ボクは勇気を手に入れられたのかもしれない…
彼女との”絆”が、ボクを強くしてくれた。
だったら、今度はボクは頑張らないと！
…舞園さんの為にもだ！)
舞 嬉しいです。私の為に頑張ってくれるなんて！
苗 …え！？ 聞こえたっ！？
舞 エスパーですから。
冗談です。ただの勘です…けど…
…本当にそう思ってくれたんですか？
苗 え、えっと…それは…
と、とにかくさ！ 一緒に協力して、絶対にここから出ようね！
ボクも…頑張るからさっ！！
舞 はい、そうですね。一緒に頑張りましょうね。
…うふふふ！
苗 (頑張ろう…ボクはこの時ほど、その言葉を強く胸に刻んだ時はない。)
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