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ハンドレッドライン全ルートクリア後レビュー【ダンガンロンパファンこそプレイしてほしい】

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4/24に発売された「最終防衛学園 -HUNDRED LINE-
やっと100ENDクリアしたので、レビュー記事を書いておきます。

この記事では、各シナリオの細かいところまでは触れず、ゲーム全体におけるレビューを行います。
各シナリオの評価は他記事にて紹介するので、そちらもご覧ください。
ただし、物語の軸となる真相解明編についてはネタバレが頻発しています。

ハンドラのネタバレはもちろん、ダンガンロンパシリーズ・極限脱出シリーズ・AIソムニウムファイルシリーズに関しても言及しています。閲覧の際はお気をつけください。

最初におすすめのプレイ方針を書いておきます。未プレイの人はこれを参考にプレイを進めてください。
最大限このゲームを楽しもうと思ったら、最初から全END回収を目指す方針より、1周目は自分の思想に基づいて選択肢を選び、たどり着いたENDを楽しむ。2周目は攻略サイトを使って真相解明編に向かう。3周目以降は評価の高いシナリオや気になるシナリオに向かってまったり進めていくという方針がいいと思います。
最初から全END回収を目指すと途中でシナリオを読み進めるだけの虚無と化す可能性があるので、お気を付けて!

ストーリー展開

狂気的なシナリオ分量

真っ当に戦争するルートから、ゾンビパニックやラブコメが始まったりなど様々なルートに物語が広がっていく本作。
情報解禁時から驚いていましたが、実際に100時間以上プレイして狂気的な分量に震えました。

社内シナリオライター6人+社外ライターというチームで開発しているものの、その仕事量を想像すると恐ろしい話です。

ただし、100ENDあるからこそ逆に1つ1つの物語の重みが失われているような感覚もあります。
何個かの印象的なルート以外は記憶に残りにくくなってしまっています。

物語を左右する選択の重み

物語の各所でどんな行動を取るか選択する必要があり、その重みを感じ取れるシナリオでした。
特に2日目の「蒼月を殺すか」や、15日目の「誰に特攻を頼むか」といった、キャラの死に直接関係する選択肢の重みが表現され、多大なシナリオを持つ本作にしか出来ないゲームシステムだと感じました。

通常のマルチエンドゲームではシナリオの分量を確保できないため、BADENDに直行する選択肢が多いです。
どちらの選択肢を選んでも新たな話が始まる多大なシナリオが存在する本作だからこそ、プレイヤーの思考が介在する余地が生まれ、自分の意志で選んだ選択に重みが生まれるのだと思います。

小高さんのインタビューを見ていると「ボタン一つ押すのもゲームである」という言葉が多く登場する。本作でその意味を強く理解しました。
どちらの選択肢を選ぶかの葛藤こそがゲーム性であり、本作の楽しみの根幹を担っているのだと感じました。

この記事で言及されています⇩

『ダンガンロンパ』小高氏と『レイトン』日野氏が手掛ける最新作の情報も。初の対談で明かされた、両氏が実践する“心に残る推理ゲームの作り方”【TGS2023】 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com
東京ゲームショウ2023(TGS2023)3日目となる2023年9月23日にレベルファイブブースにて、トゥーキョーゲームス・小高和剛氏とレベルファイブ・日野晃博氏の対談“心に残る推理ゲームの作り方”が開催された。

また、この動画で「マルチエンディングの良さがプレイヤーとしても作り手としても良くわからない」と語る小高さん。
本作で打越さんとタッグを組んだことで、打越さんの語る「別の選択をした自分ってどうなっているんだろう」という考えがハンドラ内に色濃くあらわされている気がします。

ハンドラは初見プレイ時が一番面白い

僕が最初にクリアしたのはコメディ編No.84「母なる海へ」でした。
シナリオ自体は魚頭がどんどん増えていくという訳が分からないものでしたが、初見時の自分の選択でたどり着いたENDなので強く記憶に刻まれています。

一方でゲームを進めてしばらく経つと、END埋めの為に「自分はこの選択しないな…」という選択肢も選ばざるを得なくなっていきます。
この段階は正直苦痛でした。選択肢の重さが強調されるゲームなのに、選択出来ないのは苦しみが強くなります。

特にEND埋め中に澄野が選択に後悔し始めると、プレイヤーと澄野の一体感が失われ、宙に浮いたような感覚を受けました。
プレイヤーとしては、そりゃこんな選択をしたら後悔するだろ! という思考になってしまい、せっかくの没入感が失われてしまいます。

そのため、このゲームは自分が思った通りの選択肢を選んで1つのENDに到達したら終了! とした方が、よいゲーム体験を出来るのではないかと思いました。
一気にプレイして全END回収を目指すという遊び方より、月に何個か楽しむ方が良いゲーム体験が出来そう。
まだ全END回収していない人はゆっくりプレイするのをおすすめします。

シナリオごとのライターをまとめた記事はこちら⇩

キャラクターの見せ場が増えた!

多くのシナリオがあり、各シナリオで焦点の当たるキャラが異なる事で、キャラクターの見せ場が多くなりました。
中心的なシナリオライターが小高・打越さんなので、やはりキャラの死が主眼になる事が多いものの、恋愛描写やギャグ時空での動きなど、活躍の幅が広がっています。

圧倒的なシナリオ量とシナリオのバリエーションによって、選択する面白さが生まれている。
また、分量の多さから色々なキャラの魅力を存分に出せている。

ハンドラ神シナリオ3選はこちら⇩

SRPGパート

味方の死を糧にする爽快な戦闘システム

僕が今まで遊んだシミュレーションRPGの中で一番面白かったのはFE風花雪月です。
このゲームでは高難易度だとキャラの死=シナリオからの退場を意味しているので、生存のために敵の位置に注意してじっくり考えながらキャラの配置をする必要があり、そこに面白さを感じています。
しかし、この面白さは万人受けするものではありません。

ハンドラではADVゲームプレイヤーにシミュレーションRPGを楽しんでもらうという課題を解決するために、緻密な戦闘というよりも爽快さに振ったようなシステムが採用されています。

喪白や厄師寺を前に出してタンクしといてもらってから決死必殺を撃ち、溜まったVOLTAGEを使って澄野が我駆力必殺を連発するのは、他のSRPGでは味わえない爽快感でした。

とても強いスミノサン

そこまで難しくはないものの、無策だと負ける程度の難易度

とはいえ、本作のシミュレーションRPGパートは爽快さだけではなく、戦略性も兼ね備えています。
何も考えず無策で戦闘すると普通に負ける程度の、程よい難易度に収まっています。

特に一周目は多くのキャラを活躍させることが出来、素晴らしい難易度調整だと思います。

爽快だけど思考も必要な絶妙な難易度のSRPGパート

細かなポイント

いつも通り最高なBGM・キャラデザ

最高。ただそれだけ。

高田さん、小松崎さん、いつもありがとう。

アップデートによる細かな調整がされる、ユーザーを見ている運営

ハンドラリリース当初は毎朝のチャイムがスキップできなかったり、探索がスキップできなかったりして細かなストレスが多いゲームでした。
100ENDあり物語量が膨大なので、そういった細かなストレスが積もって進めるのめんどくせ~となるような状況に陥っていましたが、アップデートによってスキップ機能が実装され、サクサク物語を読み進める事が出来るようになりました。

先日の100日記念でもアップデート内容に触れられていました⇩

まだ細かなストレスポイントが残っているので、アップデートでの解消に期待します。
特に自由時間をもうちょっと動きやすくしてくれると嬉しい。

絆イベントの見直しが可能に

ダンガンロンパシリーズではV3から好感度イベントや隠しイベントを確認できるようになっています。

本作でもGALLARYから絆イベントやイベントイラストを全て見られるようになっていて、細かな気遣いが嬉しい。

小高作品との比較

フィクションの効能

真相解明編のプレイ中に思ったのは、小高さんはこの話をニューダンガンロンパV3のリベンジとして描いたんじゃないかという事。

ニューダンガンロンパV3では、登場キャラたちの才能や記憶は全て植え付けられたもので、外の世界はそんなキャラクターのコロシアイが娯楽になっている。
チームダンガンロンパによって組織的にコロシアイが運営され、希望が勝つ・絶望が勝つという劇を視聴者(プレイヤー)が楽しんでいるという内容で、今までのダンガンロンパも否定していると発売当時賛否両論を呼びました。

ハンドラでも似た話の構造になっていて、澄野達特防隊メンバーは「炎の少年(シオン)」のクローンであり、過去の記憶は全て植え付けられたものであることが真相解明編で明かされました。

V3では今まで作り上げてきた「ダンガンロンパ」という世界観を壊してしまったために、賛否が分かれる評価となりました。
その賛否に押し流されてしまい、本当に伝えたかった「フィクション賛歌」のメッセージを伝えきれていないために、ハンドラを作る決意をしたのではないかと考えています。

見せ場の作り方

ダンガンロンパ無印における希望を打ち込んでいくシーン、レインコードにおける死に神ちゃんとの別れなど、小高さんの作品は盛りあげ方が上手いと思っています。

ハンドラにおいても真相解明編のラストバトルの盛り上げ方が上手いと感じました。

打越作品との比較

終盤に畳みかける展開

極限脱出シリーズやAIソムニウムファイルシリーズを手掛ける打越さんの作品の特徴は「メタ演出」と「終盤に畳みかける展開」だと思っています。
特にAIソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブの物語構成には鳥肌が立ちました。

極限脱出シリーズのレビューはこちら⇩

AIソムニウムファイルのレビューはこちら⇩

打越さんの作品は、並列に並んでいるように見える物語がある事実によって絡み合って見え方を変えるというシナリオ展開が多いものの、ハンドラではそういった展開が少なかったです。
打越さんが執筆を担当しているミステリー編とSF編では多少つながりがあったものの、基本的にシナリオ同士は独立し、互いに影響しないものとなっているのが物足りなさを感じました。

特にノモケバやワザワイ・サイワイの箱は他ルートとの関連が少なく、SF編で影も形もないのが残念だった。

超絶難易度だとは思うけど、100ENDが有機的に絡み合って真ENDに向かうような打越節の効いた物語が見たかったです。

最後に

総評として、最終防衛学園-HUNDRED LINE-は高品質なシナリオの集まったADV爽快なSRPGが融合した、狂気のゲーム。
一方で、小高・打越作品ファンに多いであろうどんでん返しジャンキーには物足りないゲームであることも事実です。

今後DLCも追加される予定らしいので、楽しみに待ちたいと思います。
カミュン周りの話と、SF編の謎のおばあちゃんの深掘りを期待しています。

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