- ジャンル:検索推理ADV
- 発売年:2015
- 開発者:Sam Barlow
- 値段:1200円
- プレイ可能ハード:Steam
- 参考クリア時間:3時間
「Her Story」は取り調べで記録された映像を見ていくことで、「彼女」に何が起こっているのかを推理する検索ADVである。これだけ聞くと、一本道の映像を見てそこから推理を積み重ねるゲームと誤解するかもしれない。
しかし、映像内のキーワードで検索して初めて映像が見られる。そのため、適切なキーワードで映像を検索し、その映像内から推理していく必要がある。この体験は唯一無二であり、独特の感慨が得られる。
リプレイ性は皆無なので、ネタバレを踏む前に自分でプレイすることをおすすめする。
検索によって徐々に真相が見えてくるゲームシステム
ゲームを起動すると古めかしいPC画面が表示される。データベースが起動していて、動画が保存されている。試しに動画をクリックしてみると、女の自己紹介が始まった。
どうやら名前は「ハナ」というらしい。画面に表示された他の4つの動画を見ても画面は変わらない。データベースの限界から同時に5つしか表示できないようだ。そこで、手に入れた情報を使い「ハナ」と検索欄に入れてみる。
すると、新たな動画を見ることが出来るようになった。また、ハナという言葉を含んだ動画が19件あることも分かる。
さらに動画を見ていくと「なぜイヴのことなんか話すの?」と意味深な発言を見つけることが出来た。そこで、「ハナ イヴ」と検索をより詳しくしてみると動画の数が減り、2つの言葉を含んだ動画を画面上にすべて出すことが出来た。
検索ワードを調整して、次々に動画を調べていき、「彼女」の真相にたどり着くのが目的のゲームである。
2015年と多少古めのゲームだが、プレイのしやすさは十分考えられていて、初見の動画には黄色い目のマークがついている。これによってどの動画を見たのかが分かりやすく、同じ動画を何回も見るフラストレーションをためないで済む。データベースにも見た動画が記録され、どれだけ見たかが分かりやすい。
また、一本の動画は数秒~1分ない程度のものであり、クリップ機能もあるため繰り返し見ても飽きない作りになっている。
SCRAPから「Message in Bottle」というゲームが出ていて、ゲームシステムが似ている
プレイヤー独自のゲーム体験
普通のゲームでは製作者の意図した順に物語が進んで行く。例えばRPGではAを倒して村を救い、Bを倒して魔王城までの道を開き、最後にラスボスを倒す。編成やビルドの違いによって、多少物語の感じ方が異なることもあるが、大筋は同じである。
一方で、「Her Story」では攻略の順序がプレイヤーに完全に委ねられている。最初の5つの動画を見て次に何の言葉で検索をかけるかによって、物語の感じ方がだいぶ異なる物になるのである。
何が起こっているのか状況も掴めていない所から、思考と検索を重ねて思いもよらない結末にたどり着く、という経験はこのゲーム独自であり、ゲーム実況で見るのとはまた違った感覚を得られる。
三者三様のゲーム体験を得ることが出来、Steamのレビューではクリア時間が1時間代の人から5時間代の人まで幅広く確認された。
ゲームの性質上、メモをしっかり取るのが重要である。
終わりに
ノートPCでも動くくらい軽いゲームなので、ぜひ自分の手でプレイすることをおすすめする。
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