- ジャンル:マルチジャンルADV
- 発売年:2025
- 発売元:Tookyo Games/DMM GAMES/Neilo
- 通常価格:6980円
- プレイ可能ハード:Switch/PC
- クリア時間:30時間
本記事では「終天教団」に関してネタバレなしでレビューを行います。
各ルートに関してはプレイレポとしてネタバレありの記事を個別に用意しているため、そちらをご覧ください。
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プレイレポはこちらから⇩

我には終天教のご加護あり!
終天教団の情報がまとまったファミ通も発売されています⇩
あらすじ
「終焉」を待ち望む終天教が支配する終天教国で、教祖の死体が頭・右腕・左腕・右足・左足の5つの部位に分けられた、バラバラ死体の状態で発見された。

死後、教祖こと下辺零は「神の力」によって生き返る。
しかし、今までの記憶を失っており4日後には再び死んでしまうという不完全な蘇生だった。

下辺零を蘇生させた「天使」たちが告げる。
真の復活を遂げるためには「神の試練」という名の犯人当てをし、その犯人を殺して魂を奪還する必要がある…と。

自分殺しの犯人を見つけるための長い4日間が幕を上げる。

ここがいいよ終天教団
- 膨大なストーリーと重厚な世界観
- 色んなジャンルのADVを一つのゲームで楽しめる
- 5つのルートの進め方によって作品の見え方が変わる
- キャラクターが魅力的
- 聞き馴染みのある音楽
膨大なストーリーと重厚な世界観
近年、1000円前後で発売されるインディーADV市場が拡大しています。
シナリオが面白ければゲーム性が低くても売れるため、インディーゲームとして参入しやすい業界であることがその要因でしょう。
しかし、インディーゲームでは分量や世界観も値段相応の物が多く、世界観にどっぷり浸かるには物足りない作品が多いのも事実です。
例)ファミレスを享受せよ・未解決事件は終わらせないといけないから等
そんな世間の流れに逆らうように発売された本作。
ハンドレッドラインと同じように、多くの時間をかけて濃厚なストーリーを楽しむことが出来ます。
開発の中澤さんもゆっくりと腰を据えて楽しむことを推奨しています。
ハンドレッドラインのレビューはこちらから⇩
人類の滅亡を待ち望む終天教団や宗教が支配する終天教国といった大味な世界観の中で、そこに生きる人々が何を考えているか、この幹部は犯人なのか、教祖殺しはどうやって行われたかなど、様々なことを考えながらプレイするのはこういった大規模なゲームならではです。

僕はADVの面白さはクリアしたときの喪失感で測れると思っています。
「もうこの世界では物語が紡がれないんだ」という喪失感の大きさが面白さと比例すると考えています。
その点で、本作は大きな喪失感を感じました。
特に最終章クリア後は、その後なにも手に付かず、この記事の執筆も止まっていました。
色んなジャンルのADVを一つのゲームで楽しめる
本作は犯人と思われる5人の教団幹部に関して捜査することで自分殺しの犯人を見つける物語であり、各ルートでゲームシステム自体が変わります。
あるルートでは正統派な推理ゲームをやったと思えば、他のルートではパズルをひたすら解いたり、殺人鬼に追いかけられるルートもあります。
本作を入り口にして多くのADVに手を伸ばしていける、ADV入門に相応しい作品となっています。
また、全てのルートがダンガンロンパ6章並みの驚きに満ちていて、1ルート5時間程度のシナリオとは思えない密度をしています。



5つのルートの進め方によって作品の見え方が変わる
先ほども書いた通り、本作は5つのルートが存在します。
各ルートにおいて判明する事実が異なり、どんな順番でプレイするかによって他ルートの見え方が変わるような作りになっています。

僕の場合は重要な情報が結構後に判明したので、そこまでの考察を楽しみながらプレイしました。
逆にはじめに重要な情報が出てきて、にやにやしながら進めるのも面白そう。

キャラクターが魅力的・聞き馴染みのある音楽
ダンガンロンパ・レインコード・ハンドラプレイヤーにはお馴染みの、イラスト:しまどりる 音楽:高田雅史の布陣。
本作でもその才能が遺憾なく発揮されていて、安心感も感じるようなイラスト・音楽によって感情を高ぶらせます。
特に伊音テコ・犬神軋がカッコいいし、主人公零ちゃんも可愛いので必見。

おすすめルート順
5つのルートでは提示される情報量が違うので、適当にルート選択すると最初に終天教団の重大な秘密を知る事になる可能性があります。
直感に従ってプレイするのが一番楽しめるとは思いますが、おすすめのプレイ順を載せておきます。

ちなみに僕は法務省⇒警備省⇒保健省⇒文部省⇒科学省の順でプレイしました。
ネタバレ注意 おすすめプレイ順
文部省⇒警備省⇒法務省⇒保健省⇒科学省
この順番だと、最初に重大な情報を知ることがなくなり最後まで情報量に翻弄されることになるのでおすすめです。
一番面白かったルート
本作の中で一番面白かったルートは法務省ルートです。
遺産相続で発生した連続殺人事件を解決するルートで、ザ・推理ゲームという感じで楽しめました。
扱っている事件もとても面白く、ネタバレになるので詳細は伏せますが、犯人指名時には思わず声が出てしまいました。
メモを片手に推理しながらプレイすることで、最大限楽しめると思います。
法務省ルートのあらすじ・感想など詳しくはこちらから⇩
評価
フルプライスのゲームとして文句なく面白い。
様々なジャンル・シナリオの物語を楽しめるので、ADV入門としてこれ以上に適したゲームはないと思います。
本作をプレイし、気に入ったジャンル・システムがあれば似たゲームをプレイしていくのがいいと思います。
今後各ルートに似たゲームの紹介記事も書いていくので、ぜひ今後ともよろしくお願いします!!!
ちなみに、ダンガンロンパとは完全に無関係です。
ハンドラでは神座総合病院とか出てきましたが、本作は全く影も形もありません。
2×2を楽しみに待ちましょう。
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