AIか愛か哀か。「AI:ソムニウムファイル」 レビュー

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  • ジャンル:アドベンチャー
  • CERO:Z
  • 発売年:2019
  • 発売元:株式会社スパイク・チュンソフト
  • 値段:4000円
  • プレイ可能ハード:SwitchPS4Steam
  • クリア時間:15時間
ポコたく
ポコたく

極限脱出シリーズで有名な打越さん渾身の名作ミステリーADV。「ソムニウム世界」での物理法則を無視したギミックが面白い!

本作は大どんでん返しを含んでおり、それを知ってプレイしても十分に楽しめる。

定期的にセールしていて、1000円を切るときも多いので買っておこう!!!

こんな人におすすめ!

  • ミステリーADVに慣れてきた人
  • どんでん返しを読みつくしたミステリー小説マニア
  • グロ、下ネタがあっても許せる人

本記事ではネタバレを避けるために最大限の努力はしているものの、解説の都合上ゲームのスクリーンショットを使用しています。
この時点でプレイする気になった人はここで記事を閉じることをおすすめします。

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ゲーム紹介

東京。
11月のとある金曜日の夜。
降りしきる雨の中、
ひとりの女性の遺体が発見された。
場所は廃墟と化した遊園地のメリーゴーランド…。
その遺体の顔には左目がなかった
どうやら犯人にくり抜かれ、奪われたらしい。
一報を聞きつけ事件現場に訪れた刑事、伊達。
彼は遺体の顔に見覚えがあった。
なぜ、彼女が――
――これは、夢と現実を捜査し、
失った記憶と因縁の殺人犯を追う、
ある刑事と相棒の物語。

最初に発見される灘海硝子の死体 左目がくりぬかれ、腹には何度も刺された痕が残っている。

隻眼のイケメン刑事「伊達」と彼の捜査をサポートするAI搭載の義眼である「アイボゥ」によるバディもののミステリーADV。

AIとはAIであり、愛であり、Eyeである。

ゲームシステムとしてはポイント&クリックで事件現場の捜査や聞き込みなどを行っていく。時々QTEが挟まるが、失敗しても特にペナルティはないため気楽に遊ぶことが出来る。

全編を通して物語が3Dで作られていて、アニメーションも挟まるため従来のADVとは異なる新鮮な感覚が得られる。

また、本作最大の特徴は登場キャラクターの夢の中に入り込むことで心に隠した秘密を暴く「ソムニウムパート」が用意されている点で、物理法則・常識がねじ曲がった3D空間を探索することが出来る。

心の奥にしまった隠し事を暴くために「Mental Lock」を解除していく

Somnium:ラテン語で夢・幻想の意味

他の打越作品をプレイしたことのある人ならピンとくると思うが、本作でも複数のエンディングが用意されている。選択肢によって物語がどんどん分岐していく。

登場キャラクターごとにいまいちすっきりしない、謎が残された個別エンディングを迎えた後のすべてを解決する真エンディングは思わず拍手をしたくなるようなストーリー展開である。

近年のゲームらしくフローチャートとスキップ機能によってルート解放もめんどくさくないので、次々に読み進めていける。

一癖二癖ある魅力的なキャラクター達

主人公伊達やアイボゥの他にも魅力的なキャラクターが数多くいる。

女子高校生ネットアイドルで少々電波系な「左岸イリス」はA-Setという名前で活動していて、あせとんちゃんという愛称で親しまれている。

実際にYouTubeにも本人のアカウントがあり、プレイ動画や企画ものの動画が投稿されている。

公式のYouTube・Twitterアカウントが存在していて、実在人物のような位置づけになっている。

沖浦みずきも可愛い。父親の友人である伊達と共に暮らす12歳の小学生であり、物語内において重要なポジションとなっている。

寝ている少女が沖浦みずき

続編である「AI:ソムニウムファイルニルヴァーナイニシアチブ」では主人公に抜擢された。

とはいえ、結局はアイボゥの可愛さがナンバー1である。現実世界では目玉のおやじのようなマスコット型で、ソムニウム世界では人型となる。正式名称は「AI-Ball」だが、まさに相棒と呼ぶにふさわしい活躍を見せてくれる。

ギャグ要因でもある

物理を無視したソムニウムパート

他者の夢の中に入る機械、Psync装置を用いることで夢の中に入り、深層心理に隠している秘密を覗き見ることが出来る。夢は本人が経験したことしか映し出せないため、証言との矛盾を調べることで真相に近づける。

ソムニウム世界はキャラクターの心象風景

ソムニウム世界には最大でも6分間しか滞在できない。しかも選択肢によっては多くの時間を消費してしまうものもある。そして、夢の中では常識外なことが起こる。例えば、部屋の外に出るために骸骨の頭を床に落とすことで銃に変化し、その銃が部屋の鍵穴にはまるという謎解きがある。

そのため、初見のソムニウム世界では制限時間の中でルールのわからないパズルを解くというプレイ体験になり、僕はそこに面白さを感じた。

様々な選択肢がある中で時間制限があり試行錯誤するのは大変だという声もあるが、失敗してもペナルティは課せられていないため、何度も繰り返せばクリアできる難易度になっている。また、攻略記事も用意されているので、そちらを参考にしても良い。

選択肢に挟まる小ネタたち

事件全体はシリアスで重々しい雰囲気が漂っているが、合間合間に挟まる小ネタ・下ネタによって作品全体でみるとポップな印象になる。

ここに関してはシリアスにギャグをはさむな!や下ネタが過度で見てられない!などの意見も見られるが(エロ本を見ると戦闘能力が格段に向上する伊達など)、これらが許容できる人には一種の清涼剤として物語を盛り上げるのに役立つ。

僕のお気に入りは鑑識のカガミさんとの一幕。事件現場にいるので色々聞いてみると面白い。

ところで…名前は何だっけ?

終わりに

最後まで読んでいただきありがとうございました。CEROがZであることや過度な下ネタなど大手を振っておすすめできる作品ではないものの、刺さる人にはとことん刺さる作品だと思います。気になった方はぜひプレイしてみてください!!

今後もミステリーADV関連の記事を書いていこうと思います。紹介してほしいゲームのリクエストなどあればコメントに、役に立ったなと思ったらTwitterフォローもお願いします!(⇩にリンクあり)以上ポコたくでした。

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