この記事では、「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」の1章で発生する殺人事件について、犯人とその方法、おしおきまで考察を含めながら徹底的に解説します。記事の構成上ネタバレを多く含みます。閲覧の際は気を付けてください。
こんな人におススメ
シリーズの始まりということもあってシンプル目な事件だけど、多くの人の記憶に刻まれていると思います。
物語に引き込む役目を十分に果たした話です。
キャラクター紹介
舞園さやか
「超高校級のアイドル」で、国民的アイドルグループのセンターマイクを務めており、アイドルとして絶大な人気を誇る。主人公の苗木誠とは同じ中学校の出身で、当時からアイドルとして活躍しており校内でも有名だった。アイドルを始めたきっかけは、母がおらず父が多忙の中、テレビに映るアイドルに憧れて、自分も同じステージに立つ事を夢見るようになった。
中学時代言葉を交わしたことはなかったものの、苗木のことを知っていて、交友関係を築く最初の一人である。学園からの脱出のために苗木の助手を自称する。
桑田怜恩
「超高校級の野球選手」で、野球の名門校でエースで4番を張っていたほどの実力の持ち主。野球の練習を一度もせずに甲子園で活躍するなどズバ抜けた野球センスを持つ。しかし当の本人は野球が好きではなく、希望ヶ峰学園に入学したのも「ミュージシャンになるため」と語っている。
チャラくて女好きである。
どんな事件?
動機ビデオによって外の世界に出る欲望を刺激された舞園さやかは、桑田怜恩を殺す計画を立てていた。しかし、桑田の反撃にあい舞園が殺されてしまう。舞園が残したダイイングメッセージによって事件は解決する。
スーパーダンガンロンパ2の1章事件解説記事⇩
詳細解説
ここからは時系列順に詳しく事件の内容を見ていきましょう。
事件の始まりは、モノクマの用意した動機ビデオである。外の世界とのつながりが失われる様子が映し出され、真実は自分が外に出て確認しろという内容。苗木の場合は家族が、舞園はアイドルの仲間が映し出された。
一同に衝撃が走っていたが、特に動揺した舞園は、外へ出るための計画を練り始める。昼間の間に食堂で包丁を準備していたが、この様子は食堂でお茶会をしていた朝日奈と大神に見られていた。
夜時間になると、桑田の部屋に「私の部屋に来てください」という手紙を差し入れた。被害者の選定理由に関しては様々な考察がある。誘った理由は桑田が最も食いつきやすそうだったと言われていたが、音楽を馬鹿にしたような桑田の発言(詳しくは本編参照)も一役買っているのではないだろうか。その後、舞園は苗木の部屋にやってきて部屋の交換を申し出た。苗木を犯人に仕立て上げるための罠である。
舞園は個室についているネームプレートを交換すると、包丁を用意して桑田が来るのを待つ。やってきた桑田に包丁で先制攻撃を浴びせたものの、たまたま部屋に置かれていた金箔の模擬刀で防がれる。手首に模擬刀での打撃をくわえられ包丁を取り落とすと、舞園はシャワールームに逃げることしかできなかった。
金箔の模擬刀:前日に苗木と舞園で学園内の捜索をしている最中に護身用に持っていこうと勧められ、苗木の部屋に置かれていたもの。体育館前においてあった。「模擬刀の先制攻撃だべ!」で有名。
シャワールームに逃げ込んで、一時は難を逃れたものの桑田の怒りは収まらない。基本女子のシャワールームにしか鍵はかからないが、苗木の部屋はドアの建付けが悪くコツを知らないと開けられない。桑田は扉をこじ開けるため自分の工具箱を利用しシャワールームに侵入して舞園を刺殺した。この時、舞園は最後の力を振り絞ってダイイングメッセージを残した。
桑田は部屋の痕跡を消すのにクイックルワイパーで部屋中の毛をきれいに掃除し、返り血のついたシャツを焼却炉で燃やそうとした。しかし、鉄格子を開けることが出来なかった。そこで「超高校級の野球選手」である自身の投球能力を駆使して、葉隠の水晶玉をスイッチに投げることで遠隔で焼却炉を起動し、シャツを投げ入れることで燃やして隠滅した。
ニューダンガンロンパV3の解説記事⇩
事件解決のポイント
部屋の状況
壁には争ったであろう刃物で出来た傷が多く残されている。しかし、部屋の中には髪の毛一本も落ちていない。犯人が自分の痕跡を消すために部屋の掃除をしたことが読み取れ、苗木の犯行を否定する根拠になった。
苗木の部屋に残されたメモ
苗木の部屋のメモ帳の一番上のページをペンでこすってあぶり出しを行うと、部屋に招き入れるメモが見つかった。これによって、舞園が犯行を企てていた事実が露呈する。
ダイイングメッセージ
最終的な事件現場である苗木のシャワールームの壁に残されたダイイングメッセージは、「11037」という謎の数列だった。「超高校級のプログラマー」である不二咲はこの数列に何かしらの意味を見出そうとしたが、何もわからない。舞園の指先に残った血から考えると彼女が残したメッセージのはずだが……。
舞園が死んだときの様子を考えると、この謎が解ける。壁を背にして刺殺されたので、正面を向いてメッセージを残す余裕はない。つまり、指を背中側へ向けて後ろ手に文字を書いた。死の間際で懸命に文字を残したが、反転してしまっていた。
「11037」を反転した「LEON」が残したかったメッセージだと考えることが出来る。
余談だが、続編であるスーパーダンガンロンパ2でもこの数字は大きな意味を持つ。
工具箱
男子に入学祝いとして配られた工具箱。使う機会もないため、事件まで誰一人として使用していなかった。シャワールームの鍵は道具を使って壊されているため、工具箱を使った人が犯人であるという推理が出来る。工具箱の使用の有無を確認すれば犯行への関与が確認できる、強力な証拠になった。
ちなみに女子には裁縫道具と人体急所マップが用意されていた。
燃え残ったシャツの袖
焼却炉には血の付いた白いシャツの袖が残っていた。燃え残りが残ってしまったものであり、白シャツを着ているものは限られる。桑田の犯行を示す根拠になった。
また、これと現場に残っていた水晶玉から、犯人が投げたことが分かる。
おしおき解説「千本ノック」
野球場を模した会場に桑田が縛り付けられ、全方位からノックマシンで軟球(公式情報!)を浴びせられるというおしおき。硬球の場合すぐに死んでしまうため、軟球にしたという話。
途中で桑田が目を開き、スローモーションになる演出が挟まるが、桑田の動体視力ではすべての球を捉えることが出来るということを示しているらしい。
シリーズで唯一、生徒全員がおしおきを目の前で見ている。これは、本おしおきが企画書の段階で作られた名残。残酷さの中にキャッチ―さが同居したような処刑であり、ダンガンロンパの名を広げた立役者なのではないだろうか。
全おしおきをまとめた記事⇩
終わりに
2章以降の解説記事も書いています⇩
ダンガンロンパとインディーゲームの解説、レビュー記事を書いています。好きなゲームが被っていたら色々語り合いましょう!
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