この記事では3章被害者である石丸清多夏の通信簿イベントをまとめています
通信簿イベント-1

石 苗木くん! せっかくだから、もう少し僕と話さないか!?
苗 え…うん、いいけど。
石 よし、では…
さっそく討論するぞ! 互いの意見を余すところなくぶつけ合おうではないか!
さて、何について討論する? 社会制度か? 経済か? 海外情勢か!?
苗 いや、討論って言うかさ…
普通に普通の会話をするんじゃ駄目かな? その方がお互いの事もわかると思うし…
石 普通の会話とはなんだ…?
苗 えーっと…例えば…
石丸君ってさ、普段は何してるの…?
石 もちろん勉強だ! 学生だからな! 学生とは勉強のプロであるべきなのだ!
それと、風紀委員の活動も忙しいぞ! 僕は委員長だったからな!
みなが勉学に集中できる環境を作るのも、僕の役目なのだッ!!
苗 えっと…それ以外って言うか…
家にいる時とかヒマな時は? そういう時は何してるの?
石 ヒマ潰しに勉強しているぞ!
苗 そう…なんだ…
石 ハッハッハ! では今度は僕の番だな! 苗木くんはヒマな時は何をしているのだ!?
苗 えっと、普通だよ。テレビ観たり、ゲームしたり…
石 ほぅ…それらは、なんの勉強になるのだ?
苗 い、いや…勉強になるって言うか…単純に楽しいから…
石 楽しいだけでは役に立たんではないか! きっと他に理由があるはずだ!
そうだろう!? だから貴重な時間を費やしているのだろう!?
苗 (それ以外の理由って言われても…そんなもの…
…いや、あるかも。次の日にその話題でみんなと盛り上がったりとか…
えっと、つまり…)
あ、役に立つ事ならあるよ。ほら、友達との会話のネタとかにさ!
石 …友達との会話?
苗 前の日のテレビの話で盛り上がったり、お互いの好きなゲームの話をしたりさ…
それをきっかけに仲良くなったり…そういう事だって、あるでしょ?
石 な、な…
なななななななななッ…!
なんて事だぁぁぁぁぁぁぁあああああッ!!
苗 ど、どうしたのっ!?
石 ぼ、僕は…長年悩み続けていたのだ…
クラスメイトに話しかけても…どうしても会話が長続きしない事に…
そ、その答えが…ようやく見つかったぞ…
つまり、僕がテレビやゲームについて、勉強不足だったという事だな!!
苗 べ、勉強不足って言うか…
石 恥ずかしい! 僕は自分が恥ずかしいぞ!! 穴があったら入りたい気分だ!!
自分の勉強不足にすら気づかず…悩み続けて…時間を無駄にしていたなど…
僕はなんて恥ずかしいヤツだ! 風紀委員失格だ!!
苗 い、いや…風紀委員まで失格にはならないと思うよ…
石 ありがとう! 苗木先生!!
苗 せ、先生!?
石 お陰で、僕は1つ賢くなった。尊敬の念を込めて、苗木先生と呼ばせてもらう!
苗 こ、困るって! そんな風に呼ばれても!
石 ハッハッハ! 謙遜する必要はないぞ、苗木先生!
また、僕に授業をしてくれたまえよ! それまでは自習に励むとする!!
それでは、苗木先生! 失礼させていただく!!
苗 (一方的にまくし立てた後、石丸君はさっそうと立ち去っていった。)
苗木先生…って…
(でも、なんだか…悪い気はしない…かも…
苗木先生…)
通信簿イベント-2

石 苗木くんよ、僕は前々から君に言おうと思っていたのだが…
2人きりになった機会に、ハッキリと言わせてもらうぞ!!
苗 な、何…?
石 ところで、苗木くん。君のパーカーはなかなか素敵じゃないか!
苗 あ、ありがとう…
石 いやいや、見上げたセンスだ。制服の下にパーカーを着るなどと…
乱れているぅ! 君の風紀は著しく乱れているぅぅ!!
苗 ご、ごめん…! 駄目かな…?
前の学校は…結構緩かったからさ…
石 だが、この希望ヶ峰学園ではそうはいかないぞ! 僕がいる限りは風紀を守ってみせる!!
今すぐ、そのおしゃれパーカーを脱ぎたまえ!!
苗 い、今すぐ!?
石 当然だ!
苗 (マズいな…石丸クンは本気みたいだ…
とりあえず、言い訳を考えよう…でないと、本当に脱がされる羽目になりそうだ…)
そう、防災頭巾の代わりなんだ!
石 …防災頭巾だと?
苗 そうそう、こんな危険な学校だしさ、何があるかわからないでしょ?
だから…念の為にさ。
石 ふむ…それも一理あるかもしれんな…
苗 …あるある! あるんだよ!
石 そういう事であれば、今は特別に許可してやっても良いが…
しかし、この学園の運営が正常化した暁には、必ずや、そのおしゃれパーカーを脱いでもらうぞ!
苗 う、うん…わかったよ…
石 …しかし、近頃の学生諸君は、ファッションに疎くて困る。
学生のファッションがどういうものであるかをまったく理解していないのだ!!
いい機会だから、僕が教えてやろう! 学生のファッションとは、どういうものかを!!
苗 …え?
(石丸クンからファッションの話なんて…意外って言うか…)
石 僕は365日、晴れの日も雨の日も曇る日も、常に、この制服だ!!
苗 休みの日も!?
石 学校に休みはあれど、学生という生き方に休みはなしッ!!
だから、常に制服を身にまとっているのだ! 僕が学生という生き方をしている内はなッ!!
苗 そ、そうなんだ…
石 ちなみに、僕は同じ制服を10着持っている。だから不潔じゃないぞ。何もおかしくないんだぞ。
苗 (いや、おかしいよな…休みの日も制服を着てるなんて…
…言えないけど。)
石 ハッハッハッハ! 制服を着ていると身が引き締まる! 君も試してみたまえ!!
苗 (でも、石丸クンらしいと言えば…石丸クンらしいかも…)
通信簿イベント-3

石 苗木くん…僕は弱っているのだ…
非常に…弱っているのだ…
苗 …どうかしたの?
石 わからないのか? この学園内にはとてもとても大事な物がないのだ!
そう、授業や教科書だ!!
苗 (いや、むしろ…なくていいぐらいだと思ってたけど…)
石 正直に言おう…僕は焦っている…
こうしている間にも…他の学生達に置いていかれてしまうのではないかと…
僕は焦っているのだぁ!!
苗木くん、どうしたらいい?
このまま勉強をさぼり続けていたら、僕は落ちこぼれになってしまう!
苗 だ、大丈夫だよ。そんなに焦らなくたって…
石丸クンって、前の進学校でも、ずっとトップの成績だったんでしょ?
そんなに頭がいいなんて…やっぱ、石丸クンって天才なんだよ…
だから、普通の人が勉強をさぼるのとは訳が…
石 ………………
…天才だと?
よしてくれないか…そんな言い草…
苗 …え?
石 僕は天才なんかではない…ごくごく一般的な普通の人間だ…
家だって中流…いや、それ以下の貧しい家庭だ…
だからこそ、僕は努力し続けて来たのだ! その壁を打ち破るべく!
世の中を動かすのは天才なんかじゃない。凡才なのだ。努力を積み重ねる凡才なのだ。
僕はそれを証明する為にも、努力に努力と努力を積み重ねなければならないのだッ!
いいか! 僕を天才などと呼ぶな! 努力知らずの怠け者と一緒にするなッ!!
苗 ご、ごめん…そんなつもりじゃなかったんだけど…
石 ………………
いや、すまん…僕も…つい熱くなり過ぎてしまった…
だが、苗木くん。君は僕と同じだからこそ言うのだ。
君は僕と同じ普通の人間だ。努力の大切さを知っている普通の人間だ。
だから…わかって欲しいのだ…僕の気持ちをな…
苗 う、うん…
石 僕が風紀委員の活動に熱心なのも…同じ理由なんだ…
みんなの為に、みんなが精一杯努力出来る環境を整えてやりたい…
そう思うからこそ、僕は自分の時間を犠牲にして、その環境作りの為に身を粉にして働いているのだ。
みんなにもわかってもらいたいのだ。結局、報われるのは努力した者だけという事をな…
そうじゃない世界なんて…そんなのはウソっぱちだ。
努力! それこそがすべて! この世界のすべての答えであるべきなのだ!
僕は、それを証明せねばならない! 努力し続ける他の凡才達の為にもだ!
天才を超える凡才にならねばならないのだ!
僕はそんな想いを胸に、この希望ヶ峰学園に来たのだ…
それなのに…ここに閉じ込められたせいで…その努力の機会さえ奪われて…
僕は…どうすればいいのだ…?
苗 石丸クン…
石 すまんな、苗木くん…情けない弱音なんかを聞かせてしまって…
苗 ううん、そんな事ないよ…
石丸クンが焦るのもわかるよ…それだけ強い気持ちがあったんだからさ…
だからこそ、焦って変な考えだけは起こさないで欲しいんだ。
努力の力を信じている石丸クンが、諦めたりしたら駄目だと思うんだ。
だって、努力って…諦めない事だよね?
石 ………………
…どうやら、君に言われるまで、僕は忘れてしまっていたようだ。
努力の基礎中の基礎…それは”諦めない心”だ。
そうだ、どんな状況下でも努力は出来るはずだ。新しい授業や教科書がないなら…
今まで学んだ事を振り返り、基礎を固め直すチャンスだな!!
苗 …うん。そうだよ。
石 苗木くん、君に話してよかった。
自分の胸の内をさらけ出して、こんなに清々しい気分になったのは初めてだ!
お礼に、今後の自習の際には、ぜひ君も誘わせてもらうぞ!
同じ凡人同士、互いに切磋琢磨して、天才と呼ばれる連中を見返してやろうではないか!!
苗 (そこには、いつも通りの石丸クンの表情があった。いつも通りの自信に満ちあふれた表情…
なんだか、石丸クンの事が、少しだけわかった気がする…
でも、やっぱり…石丸クンは天才なのかもしれない。
努力の天才…
だけど、ちょっと引っかかるのは…
石丸クンは、やけに”天才”に対して、敵意みたいのを感じているみたいだったけど…
何か…理由でもあるのかな…?)
通信簿イベント-4

石 苗木くん! どうだ、これから一緒に自習しないか!?
僕の部屋に来たまえ! わからない事があれば、手取り足取り教えるぞ!!
苗 いや…手取り足取りまではいらないけど…
じゃあ、一緒させてもらおうかな?
石 無論だ! では行こう!!
苗 (石丸クンに連れられて、ボクは彼の部屋へと向かった。)
石 やぁ、いらっしゃい! 苗木くん!! この部屋に招き入れた客人は君が初めてだ!
では、早速だが、苗木くんに問題を出してあげよう!
苗 も、問題…?
石 構えなくても大丈夫! 簡単な問題。基礎中の基礎の問題だ!
ハッハッハ! 解けて当然の問題だよ! 遊びだ遊び!
苗 (そこまで言われると、逆にプレッシャーが…)
石 …では問題だ。数字の0を数の概念として、初めて確立させた国はどこだと思う?
苗 (え、えーっと…数字の0を確立させて国って…確か、アジアの国って聞いた気が…)
インド…じゃなかったっけ?
石 正解だ! やるではないか苗木くん! さすが僕が見込んだ男だな!
よーし、僕もやる気が出てきたぞ!
これからも一緒に努力を重ねて、怠惰な天才どもに目に物を見せてやろうではないか!
苗 あ、あのさ…石丸クン…
石 …ん? どうした?
苗 石丸クンって、なんか…天才って言葉をやけに嫌うよね…?
石 …目の敵にしているように感じるか?
苗 え…?
石 だが、その通りだ。なかなか鋭いな。
苗 でも…どうして…?
石 僕が乗り越えなければならない人物…誰よりも尊敬し、誰よりも憎む人物が…
…その天才とやらだからだ。
苗 …え?
石 石丸寅之助…僕の祖父の名前だ。聞いた事はないか?
かつての…日本国総理大臣だよ。
苗 …そ、総理大臣!?
石 外務大臣、内閣官房長官を歴任し、そして内閣総理大臣までのぼりつめた男…
それも、なんの後ろ盾もなく、高卒の学歴しか持たないにも関わらずな。
まさに天才…努力せずとも何事もこなしてしまう人物だったらしい。
苗 そんなすごい人が…石丸クンのおじいさん?
石 天才ゆえに挫折知らず。凡人にはあり得ないスピードで出世していったらしい。
だが、それゆえの反動もあった。
甘い気持ちに動かされ、彼は汚職事件を起こしてしまったのだ。
天才ゆえに世の中を舐めていたのだろう。少なくとも、僕はそう判断する。
それ以降の彼は、出世したのと同じスピードで転がり落ちていった…
政治の世界から追われただけではなく、事業の失敗も相まって、一気に落ちぶれていったよ。
そんな祖父の残した借金は今も残っていて、僕ら家族を苦しめ続けている。
その祖父も数年前に死んだ…晩年の彼は誰とも口をきく事はなかった。
あれだけ持てはやされた祖父なのに、葬式に出席したのは身内がほとんどだった。
苗 そう…だったんだ…
石 天才…それは運命に与えられた財産だ。だが、それは悲劇であるとも思うのだ。
大切な努力を知らずして、進む事が出来てしまう悲劇…
それゆえに、一度つまずいてしまえば、天才ほど弱い者はない…
…祖父のようにな。
苗 それが理由…? 石丸クンが”天才”を嫌う…
石 祖父の件は、いい教訓だ。天才などという言葉に惑わされてはならないのだ。
僕は”努力”という確実な力を身に付け、祖父以上の事を成し遂げてみせる!
だから、苗木くん! 共に頑張ろうではないか! 努力した者こそが報われる社会を作り上げる為にな!
苗 そ、そうだね…
(と言っても、ボクは石丸クンと違って…そんな大それた事が出来る訳じゃないけど…)
石 しかし、苗木くん。僕は本当に嬉しいぞ。
この学園は天才ばかり…つまり敵ばかりだと、僕は思っていたのだ。
そんな場所で、まさか…こんな話が出来る仲間を見つけられるなんてな…
君と会えた事は僕の財産だ! 一生ものの財産だよ!
これからも、よろしく頼む! 互いに協力し合い、努力し合おうな!!
苗 うん、こちらこそ。
石 よし! では自習の続きだ!
苗 (石丸クンの事がよくわかって、なんだか心が通じ合えた気がする…
本当の意味で、彼と”仲間”になれたって事なのかも。)
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