- ジャンル:RPG
- 発売年:2024
- 発売元:ATLUS
- 値段:9878円
- プレイ可能ハード:PS4・Steam・XBOX
- 参考クリア時間:60時間
2024年10月11日、ペルソナシリーズで有名なアトラスから、新作のファンタジーRPGが発売された。幻想世界を旅する、まさに王道RPGと言えるような作品だが、アトラスらしさもふんだんに盛り込まれた新しいゲーム体験ができた。
「アトラス35周年の集大成」と言える名作ゲームなので、まだプレイしてない人は今すぐストアを開いて購入しよう!
クリア済みの人はぜひ僕と語ろう!
シナリオにはあまり触れないため物語の核心にはあまり触れないが、クリアレビューなのでどんどんネタバレしていきます。未プレイの人はもちろん、プレイ中の人も閲覧にはお気をつけて。
プレイ状況:PS5版 難易度HARD 王の資質全MAX 全コミュMAX 全ての人の魂を喰らう者は未クリア
シナリオの盛り上がりには多少かけるものの、「旅」を感じられるゲームとして最高傑作で、戦闘システム・戦闘準備ともに面白い
旅情を感じる鎧戦車での世界一周旅物語
ペルソナシリーズとの類似点も多く、発売前はペルソナ6だろと揶揄されていた本作だが、何よりも異なるのは旅の楽しみを感じられる点である。P4では八十稲葉、P5では東京の中でしか過ごせなかったのに対し、本作の舞台は様々な景観を持ったユークロニア王国全土を旅しながら物語が進んで行く。
海から森、火山や雪山まで様々なロケーションがあるため、新しい場所に行くたびに新鮮さを感じた。場所によって文化が異なり、服や話す内容が異なるのも旅の情緒を感じるのに一役買っている。特にムツタリ族の村であるエト・リアは異国感が強い。
全国各地には名所が用意されていて、美しい風景の一枚絵が表示される。サブクエストを進めていればすべて見ることが出来るのが嬉しい。ゲームならではの風景が登場し、見ているだけでプレイヤーの見識も広がっていくのを感じる。
設定資料集や画集が発売されたら絶対に買いたいし、クリア者はみんなそう思っているだろう。(アトラスさん、よろしくお願いします。)
名所を描き残した絵が蜜蜂のささやき亭の壁に飾られていくことが、ここまでの旅の足跡を感じられ感慨深い。僕も7年前にイギリスに行った際、大英博物館でマグカップを買い今でも大切に使用している。旅先で触れたものやその思い出は、その後の人生にも関わってくるのだろう。
旅と言えば食べ物も!ということで、全国各地で名産の「大砂蟲の幼虫の丸焼き」や「よくわからない魚の刺身」などヒュルケンベルグを筆頭にゲテモノを食べていく姿勢も素晴らしい。現地文化を尊重し、その中に身を置くという旅の醍醐味がよく表れている。
Tips:記事執筆中に気づいたが、タイトルに戻るときにこんな絵があった!
歯ごたえと戦略性が高い戦闘システム
メガテン、ペルソナシリーズ経験者にはおなじみのプレスターンシステム。敵の弱点を突けば行動回数が増えるが、回避されたり無効化されると行動回数が減ってしまう諸刃の剣なバトルシステムである。これまたお馴染みな6属性プラス斬刺突の物理3属性で弱点を突いたり突かれたりするバトルは、アトラス作品独自の緊張感を持っている。
本作では仲魔やペルソナの代わりに、他作品で言うところのジョブである「アーキタイプ」が戦闘の鍵を握る。アーキタイプの編成が勝ち負けの8割を占めているといっても過言ではなく、どういう編成を組むか考えるのが面白い。スキルの継承も最大4枠あるため、戦い方は無限大である。
全員攻撃特化にしていると敵に弱点を突かれたら立て直しが不可能になるため、弱点に合わせて柔軟に編成を変えながら進めていくのがゲームのキモとなっている。また、バフデバフが強力でダメージがだいぶ変わってくるので、コマンダーやフェイカーといったバフデバフの管理が出来るアーキタイプを育てておくのが重要。
酒場にいる情報屋から敵の弱点を知ることができ、戦闘開始まで戻れる機能が付いたのは革命的である。敵の弱点を突かないと行動回数が増えないので、初見の敵と戦うときは弱点を探るところから始まる。序盤は弱点探しが面白いものの徐々に面倒になってくるが、この2つのシステムによって極力面倒が避けられている。
フィールドでのアクションによるザコ戦回避とオートでめんどくさい戦闘はスキップできるのが素晴らしい。いくら面白いコマンドバトルであっても繰り返せばいつかは飽きるものだが、ザコ戦が楽になるので2週目をプレイしようという気が起きる。
ゲーム前半ではマジシャン、後半ではプリンスのパッシブ効果によってMP回復手段が用意されているのも良い。少しずつしか回復しないが、これによって無限レベリングが可能になっていて、「MP切れたから帰らなきゃ」といったメメントス時代の煩わしさから解放された。
ちゃんと弱点を狙って攻撃を叩き込んでくれるため、格下~同格の敵なら放置で倒せるくらいにはオートAIが賢い。
ペルソナとの相違点
高校生達の群像劇であるペルソナシリーズに比べてキャラクターの年齢が高いことで、抱えている問題がより深刻なものになった。現実でも噴出している問題点を考えるきっかけにもなり、投票を控えた今(執筆時10/24)だからこそプレイしたいゲームである。
王の資質(人間パラメーター)全MAX、支援者との絆(コミュ)全MAXが一週目でも簡単にできた。ペルソナシリーズでは毎日チャートに従わないと全MAXは難しかったが、メタファーではだいぶ余裕があった。王の資質は特に意識しないでも、サブクエストのクリアや鎧戦車での移動中に上げられる。支援者との絆についても、進行条件が分かりやすくガリカがサポートしてくれるため上げやすい。
他にも親切なシステムになっていると感じる点が多々あった。例えば街中の移動にしてみても、店に直接ファストトラベル出来るので移動時間が短くて済む。アーキタイプもいちいちアカデメイアに訪れなくても、メニューから操作可能となっている。
戦闘は従来のコマンドバトルにプラスしてアクション操作である「ファスト」が追加された。ファスト時に攻撃を加え、敵を気絶させることが出来ればこちらが有利に戦闘を進められるが、逆に同格以上の敵から攻撃を受けると、敵のターンからバトルが始まり、一気に壊滅してしまうため集中して回避する必要がある。これによって、ダンジョン内を移動時にも程よい緊張感が追加された。
シナリオ自体はP5Rの方が面白かった。サタナエルで銃を撃つシーンのカッコよさに迫るものはなかったのが残念。ルイがしぶとすぎて何回ルイ戦やるんだ…となった。
総評
シナリオの盛り上がりには多少かけるものの、「旅」を感じられるゲームとして最高傑作で、戦闘システム・戦闘準備ともに面白い
旅が好きな人、ペルソナシリーズが好きな人にとっては絶対に面白いゲームなので、買うのを迷っている場合は今すぐプレイしよう。
それでは僕は2週目に行って、アーキタイプの履修率を100%にしてきます。最後まで読んでいただきありがとうございました!
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