この記事では、4章犯人兼被害者の大神さくらの通信簿イベントをまとめています
通信簿イベント-1

大 トレーニング後の休憩の時間…それが、我が最も落ち着ける時間だ。
熱を帯びた筋肉が徐々に冷めていく感覚は、激しい訓練を終えた後にしか味わえぬ褒美…
何度トレーニングしても、それだけは変わらぬ。
苗 大神さんって…毎日欠かさずトレーニングしてるの?
大 どうしても外せない用事がない限りは、必ずトレーニングしている。
逆に、しない方が落ち着かん…
苗 よく毎日続けられるよね? 辛くなったりしない?
大 いや、辛いと思った事は1度もない。強くなる為だからな…
我は強くならねばならんのだ。戦う事を宿命付けられた人間なのだからな…
苗 戦う事が…宿命…?
大 我は乳母車に乗るより早く戦いを始めた。生まれながらの戦いの申し子なのだ。
苗 (な、なんだ…その伝説…)
大 我は師匠である父の指導の元、物心ついた頃より戦いに明け暮れた。
幼き頃から、レスリングのメダリストとの試合や、ボクシング王者などとスパーリングも経験してきた…
最初は歯が立たなかったが…
やがて、向こうの方が我に歯が立たないようになっていった。
苗 そ、そんな人達にも勝ってきたって事…?
大 我が専門とするのは、立ち技、組み技、寝技が1つとなった格闘技だ。
どれも中途半端では意味がない。
それぞれのジャンルで頂点に立つ実力を付け、それを融合させる事で最強になれるのだ。
苗 (立ち技、組み技、寝技が1つとなった格闘技…? その格闘技って…)
総合格闘技…だよね?
大 なんでもあり…もっとも実戦に強い格闘技だ…だからこそ、我は総合格闘技を選んだ。
我はスポーツで一番になりたいのではない。あくまで地上最強を目指しているのだ。
苗 なんだか、大神さんならなれそうな気がする…
…って言うか、もうなってるんじゃないの?
大 いや…まだだ…我には越えなければならない人物がいる…
苗 …え?
大 その人物に勝たない限りは、我が最強になる事は叶わぬ…
苗 その人って…大神さんより強いの…?
大 ………………
その話はいずれしよう。その機会があればだがな…
苗 (そう言い残して、大神さんはその場から去っていった。
で、でも…信じられないな…大神さんより強い人がいるなんて…
いるとしても…人じゃないんじゃないか?)
通信簿イベント-2

大 苗木よ、せっかくだから、もう少し話でもするか…
苗 だったらさ…ちょっと聞きたい事があるんだけど…
大 …なんだ?
苗 前の話の続きだよ。言ってたでしょ? 大神さんより強い人がいるって…
大 ………………
苗 それって…男の人? 女の人?
大 …男だ。
苗 (大神さんが超えなくちゃいけない男の人…
それは、自分の師匠、とか? 確か、大神さんの師匠って…)
…そうだ。お父さんなんじゃない? 大神さんが超えなくちゃいけない存在って。
大 ………………
我が一族は代々、武術道場を営んでいる…300年に渡ってな…
苗 300年…すごい歴史だね…
大 我はそんな一族に生まれた。たった1人の娘としてな…
女性であろうと男性であろうと関係ない。我は、その歴史を守らねばならぬのだ。
そして、女であるからこそ、男以上に強くなければならないのだ。
女には地上最強の座は相応しくない…そう考える連中を黙らせる圧倒的な強さが必要なのだ。
だからこそ、我は無我夢中で特訓に明け暮れた。師匠である父の元でな…
お前の言う通り…師匠である父は我の目標であった。
だが、それは当時の話だ…
苗 …当時の?
大 …我が14歳の頃だったな。組み手で初めて父に勝ったのは…
それ以来、我は父に負けていない。
苗 じゃ、じゃあ…!
大 我はすでに父を超えている。
苗 そう…だったんだ…
大 だが、父には悪い事をしたのかもしれん。父もまた地上最強を目指す人間の1人だからな…
だが、我は歩みを止める訳にはいかん。地上最強目指して進み続けなければならないのだ。
それが我が運命…
…この話はこれで終わりだ。楽しかったぞ、またな。
苗 (大神さんはそう言って、その場から歩き去っていった…
…って、あれ?)
結局、聞きそびれた…大神さんより強い人の話…
(もしかして、話をはぐらかされたのか?)
通信簿イベント-3

大 苗木よ、実はな…
我は…悩んでいる事があるのだ…
苗 え? 悩みって…?
大 この学園にはトレーニング機器も揃っている。お陰で助かっている。だが…
この環境では…我の望むトレーニングは出来んのだ…
お陰で、日に日に弱くなっていく自分を感じている…
このまま…それに耐え続けろと言うのか? そんな事…我には出来ん…
このままでは…我は…我は…!
苗 ちょ、ちょっと大神さん! 落ち着いてよ!
焦る気持ちはわかるけど…早まっちゃ駄目だって…!
大 ………………
苗 …って言うか、大神さんが望むトレーニングって、どんなトレーニングなの?
大 我は近代的トレーニングを認めていない。いわゆる、機械に頼ったトレーニングをな…
確かに、あれは筋力アップには適している。だが、筋力があれば強くなるとも限らん。
筋肉はあればあるほど良いが、それを力まずに使うのがコツが必要だ。
逆に、筋力アップしようとして筋肉が固くなり、怪我しやすくなった例も存在する…
レスリングの一流選手の中には、ロープ登り以外の筋トレは一切しない者もいるらしい。
それに、総合格闘技では、瞬発力や敏捷性、持久力、全身の協調性が必要なのだ。
それらを鍛える為には、一か所だけの筋肉を鍛えるやり方ではなく…
スイング式の県水など自重の筋トレや、全身を使うパワー系の筋トレが必要なのだが…
…聞いてるか?
苗 …えっ? 聞いてるよ! もちろん!
大 自重の筋トレなら、何とかなるが…全身を使うパワー系の筋トレが難しい…
我は幼少の頃より、欠かさず行っているトレーニングがあるのだが…
古タイヤをある物で叩くというトレーニング方法だ。おい聞いているか?
苗 き、聞いてるよ…!
大 では、言ってみろ…
我が幼少の頃より行っているのは、古タイヤを何で叩くトレーニングだと思う?
苗 え…? 言ってみろって…!?
大 ………………
苗 (無言のプレッシャー…答えないと、大神さんから怒られそうだ…
古タイヤを何かで叩くトレーニング…なんとしてでも、答えないと!)
ハンマーでタイヤを叩くトレーニングとかなら…どっかで聞いた事あるけど…
大 …そうだ。幼い頃からの日課だ。体感強化のトレーニングとしては最適なのだ。
だが、それもここでは不可能だ…
このままでは…弱くなる一方…
苗 だけど、耐えなくちゃ! 耐える事だって強さのはずだよ!?
大 …む?
苗 …そのはずだよ?
大 ………………
今は精神面を鍛えるトレーニング…そう思う他ないか…
ふむ、苗木に教えられたかもしれんな…耐える事の大事さを…
苗 いや…そんな…教えるなんて大それた事…
大 苗木よ、すまなかったな。悩みなんかを聞いてもらって…
だが、お陰でスッキリしたぞ。我はまだ大丈夫そうだ。
やはり、お前に話してよかった…この恩はいずれ返そう…
苗 (そう言って、大神さんは静かにその場から去っていった…)
良かった…少しは役に立てたみたいだな…
(それに、なんだか大神さんに信頼されているみたいで、ちょっと嬉しかったし…)
通信簿イベント-4

大 そろそろ…お主には話していいかもしれんな…
苗 …なんの事?
大 我より強い…男の事だ…
苗 え…?
大 今まで誰にも言えなかった話だが、お主には、もう話してもいいかもしれぬ。
苗 でも、本当なの? 大神さんより強い人がいるなんて…
大 事実だ…我には生涯のライバルがいる…
その男は野試合しかしない男だ。だから、世間には知られていないが…
間違いなく地上最強の男だ。
我も何度も拳を交え、そして負け続けている…
苗 そ、そんなに強い人なの…?
大 現代では”戦い”すらも科学となった。
そして、研究され、進化を遂げる事で、急速にスポーツとして確率していった…
無敵などというチープな言葉は消え、新しい技術を持つ選手が記録を塗り替えていく時代…
だが、そんな時代にありながら、ヤツは一切の科学的なトレーニングを行わない。
ただ、ひたすら実戦あるのみ。
そして、近代スポーツをあざ笑うかのように、ヤツは決して誰にも負けない。
ラッキーパンチもあり得る格闘技の世界では、勝ち負けの流動が多いのが当たり前…
それにも関わらず、決して負けない。
格闘技論なんてものはヤツに通用しない。研究しても、誰もヤツを倒せぬからだ…
苗 その人って…本当に人間なの…?
大 ケンイチロウ…それがヤツの名だ。
一子相伝の伝説の暗殺拳。その伝承者らしい…ヤツ自身から聞いた話ではな。
苗 (一子相伝の暗殺拳の伝承者…色んな意味でヤバそうな人だけど…)
大 だが、それだけではない。むしろ、本題はここからなのだ。
…笑わないで聞いてくれるか?
苗 わ、笑う?
笑うって…どうして?
大 その…反応を見る限り…
お主は間違いなく笑う!!
苗 …は?
大 …やはり、もう少し時間をくれ。心の準備が必要だ。
苗 で、でも…!
大 わかってくれ…我にだってあるのだ。
乙女心というものがな…
苗 (それ以上は語らず、大神さんは去っていった。けど…)
乙女心…?
通信簿イベント-5

大 苗木よ、もう決心はついたか?
苗 …え?
大 我の話を笑わぬ決心だ…
苗 それって…あのケンイチロウって人の話だよね…?
だから、笑うわけないって最初から…
大 付いて来い…我の部屋だ。そこで続きを話すぞ…
我と2人きりでな…
苗 …え? 大神さんの部屋?
(大神さんに連れられて、ボクは彼女の部屋へと向かった。
大神さんの部屋…なんて言うかイメージ通りだな…
でも、女性の部屋に2人きりなんて、ちょっと緊張するな…
しかも大神さんの場合は、別の意味でも緊張するって言うか…)
大 …いつまで、きょろきょろしている?
苗 あ、ごめん…!
大 では…そろそろ話を始めるか…
苗 ケンイチロウさん…だよね? 地上最強の…
大 そうだ。我の生涯のライバルだ。そして…
わ、我の…
初恋の相手…だ…
苗 初恋…?
大 …笑ったか?
苗 …ううん! 笑わないって!
(確かに、予想外の言葉だったけど、でも…)
大神さんが決心までして、ようやく話してくれたのに…
それを笑うなんて、そんな事出来る訳ないよ!!
大 ………………
むしろ、そう聞く我の方がお主を見くびっていたという事か…
すまなかったな、苗木よ。
苗 い、いや…改まって謝られるほどの事でもないけど…
大 …バカにされるのが怖かったのだ。
だって、そうだろう? こんなガタイをした我が”恋”などと…
いや、そうやって照れている方が尚更、女々しくて気持ち悪いかもしれんな。
苗 いや、女々しいって…そもそも大神さんは女の子なんだし…
だから、女らしい部分があるのは、当たり前だよ。
大 だが…地上最強を目指そうという我が…
苗 でもさ、強さを求めるからって、男になる必要はないはずだよ?
大 クッ…!!
苗 …え? どうしたの?
大 い、いや…少し思い出しただけだ…
以前、似たような事を、ケンイチロウに言われた事があってな…
それを…思い出したのだ…
今更、あいつの言葉を思い返しても、仕方がないと言うのにな…
本当に我は女々しいな…いつまでも、あいつの言葉を引きずって…
苗 (え…? その口ぶり…?
もしかして、その人って…すでに、この世には…)
あのさ、ケンイチロウさんって人…今は…
大 戦っている。
苗 な、なんだ…てっきり…!
大 病魔とな。
苗 …え?
大 余命半年…そう宣告されたらしい。
だが、その半年を過ぎてもヤツは生きている。まだ戦い続けている。
ヤツの事だ。病ごときにまけるはずがない。必ずや勝つに決まっている。
地上最強の人間…我がそう認めた男なのだからな…我はそう信じている。
苗 お、大神さん…
大 1度だけ…見舞いに行った事がある…
やせ細って別人のようになったヤツは、我にこう言った…
地上最強の座は一時的に預けると。
必ず取り返しに行くから、それまで絶対に負けるな…とな。
言われなくてもそのつもりだ。ヤツの体調が戻るまでは、最強の座は我が預かる。
そして、ヤツが以前の力を取り戻した時…
その時こそ、我が真の最強になる時だ。ケンイチロウを倒す事でな。
その為にも…我は強くならねばならん…
苗 そんな事が…あったんだ…
大 それが、我が地上最強を目指すもう1つの理由…
だが、長々と我の話を聞かせて悪かったな。
…自分でも不思議だ。なぜ、お主にこんな話をしたのか…
お主が、どことなくケンイチロウに似ているせいかもな…
苗 え? ボクが?
大 あぁ、似ている。体の強さはともかく、何か芯の強さを感じさせる部分がな…
苗 そ、そんな…芯の強さなんて…
大 謙遜するな。お主は強い。この我が言うのだから問題ない。
…そうだろう?
苗 う、うん…
(なんだか、大神さんの事がよくわかって、心が通じ合えた気がする…
これって、本当の意味で、彼女と”仲間”になれたって事なのかもな…)
コメント