この記事では、「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」の3章で発生する殺人事件について、犯人とその方法、おしおきまで考察を交えながら徹底的に解説します。記事の構成上ネタバレを多く含みます。閲覧の際は気を付けてください。
こんな人におススメ

ミステリー界の主演、連続殺人事件! しかも捜査時間中にリアルタイムで事件が進行していくため、サスペンスのような雰囲気がある3章です。
それにしても、一発で成功させようとするセレスの胆力よ…..
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キャラクター紹介
石丸清多夏
「超高校級の風紀委員」であり、折り目正しい性格の熱血漢。座右の銘は「質実剛健」。
異常なまでの努力家であり「努力し続けることで天才を超えた凡才になる」という信念を持っている。
兄弟と呼び合うほど仲の良くなった大和田がおしおきを受け、ふさぎ込む。
しかしその後、アルターエゴによって励まされ石田として復活する。

山田一二三
「超高校級の同人作家」であり、肥満体と丸眼鏡、珍妙な髪型が特徴的。
過去に通っていた高校の学園祭で発行した同人誌の売上げが総計1万部を達成し、同人業界でその名を轟かせている。
「外道天使☆もちもちプリンセス」のぶー子への愛から同人活動を続けていたが、極限状態の中アルターエゴに恋心を抱く。

セレスティア・ルーデンベルク
「超高校級のギャンブラー」であり、嘘をつく天才で、その類稀なる才能を活かし麻雀やポーカーなどの対人式の賭博勝負で連戦連勝の記録を持つ。彼女との対戦で全財産を失い、人生が破綻した人間も数多く存在するという。
一章の頃から学園への適応を掲げていたが、実際は西洋の城でイケメンを侍らせ退廃的な生活を送る夢の為に、誰よりも脱出を目指していた。

葉隠康比呂
「超高校級の占い師」で、20%の確率で必ず当たる占いをしている。
高校を3ダブしていて既に酒も飲める年齢だが、イマイチリーダーシップに欠け学級裁判においてもロンパされ役になる事が多い。
今回の事件ではスケープゴート役として、セレスにはめられて容疑者として疑われることになった。

本記事の作成にも役立った公式設定資料集1・2リロード、キャラクターの初期案が載っていたり開発者インタビューもあって見ごたえ十分の面白い本なので、ロンパファンなら買っておいて損はありません。
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どんな事件?
山田が石丸を殺害、セレスが山田を殺害する。
次々と死体消失が発生し、リアルタイムに事件が進行していく。

詳細解説
ここからは時系列順に詳しく事件の内容を見ていきましょう。
動機
前章で殺害された不二咲千尋は、「アルターエゴ」を作っていた。
対話や作業を繰り返すたびに情報を得て、自分で成長していく人工知能で、不二咲の分身ともいえる存在である。

山田の持つ豊富な知識に興味を持ち、アルターエゴは山田に対してたくさんの質問を投げかける。
話を聞いてくれる相手を見つけた山田は、アルターエゴに対して恋心を抱いた。
アルターエゴの中には大和田の情報も入っていた。
大和田の死によって憔悴していた石丸は画面に再現された大和田に励まされ、新たな人格「石田」として再起した。
彼ら二人によってアルターエゴの利用権が争われていた。

モノクマは100億円という動機を提示する。
セレスはこの100億円があれば、今までギャンブルで勝ってきた金額と合わせて、西洋の城の中でイケメンを侍らせて過ごすという夢が達成できるため動き出した。

事件前夜
アルターエゴを盗み出したセレスは、事件前夜に山田を部屋へ呼び出し、石丸に襲われたと嘘をついて石丸を殺害するための協力関係を結ぶ。
山田にとってもアルターエゴを独占するためにはジャマな相手だったので、協力関係はスムーズに構築されたと思われる。
セレスと山田の二人は、夜中に葉隠を娯楽室へ呼び出し薬で眠らせる。
そして、葉隠の体格にぴったりはまるように作ったジャスティスロボの衣装を着せ、山田が襲われたような写真を撮影する。
葉隠が犯人であると疑わせるための偽装工作だが、ツッコミどころは多い。

葉隠をプールサイドのロッカーの中に閉じ込めた後、山田は石丸を物理準備室に呼び出しジャスティスハンマー4号で撲殺する。
その後、図書室へ移動し自分の頭を殴ることで、今まさにジャスティスロボに襲われたかのような状況を作り出した。

セレス・山田劇場開幕
保健室で山田の治療を済ませた後、外に出ると「階段の方に不審者の影が見えた」というセレスの目撃証言によって、再び手分けして捜索を始める。
すると、セレスの特徴的な叫び声が3階から響いた。

「廊下の奥の方へ逃げていった」というセレスの話を元に追いかけようとすると、同時に1階から山田の悲鳴が響き渡る。
二手に分かれて捜索することになり、保健室まで向かった苗木の目に飛び込んできたのは頭から血を流して倒れる山田の姿。
この山田の様子を見つけた瞬間、死体発見アナウンスが流れだすが、これは輸血液をかぶって死体のふりをしているだけである。

山田の死体を見つけたことをもう一方の捜索隊に知らせるために、苗木は校舎内を進んで行く。
共に保健室にやってきたセレス、朝日奈を置いて3階の最奥である物理準備室へ向かった苗木は再び死体を発見した。先ほどのアナウンスは石丸の死体で起きたものである。

死体消失
物理準備室で十神率いる捜索隊と合流し、保健室へ戻ると山田の死体が消えていた。セレスと朝日奈がトイレに行っている隙に、死体に扮していた山田が自分で移動したためである。
その後、腐川を物理準備室に置いてきたのを思い出した一同は、物理準備室に移動し石丸の死体消失を目の当たりにする。
山田が石丸の死体を美術準備室へ移動させていたためである。

その後、消失した死体を探すために各自バラバラに学園内を捜索をしている最中、セレスが山田に対してハンマーを振るうことで撲殺。
死体消失を伴った劇場型犯罪は幕を閉じた。

事件解決のポイント
セレスの名前

山田が死の際に残したダイイングメッセージ「やすひろ」は、誰もが葉隠康比呂のことだと思っていたが、実際はセレスのことを指している。セレスの本名は「安広多恵子」であり、電子生徒手帳から判明する。
なお、山田がセレスの本名を知っていた理由は6章にて判明する。
山田の死体の移動
100kgを超える巨体である山田の死体を動かすのは現実的でない。ましてや1階から3階まで移動させるのは不可能である。ここに気づければ共犯の可能性を追うことができ、事件解決への糸口がつかめる。
セレスの失言

この時点で石丸が殺されていることは知らないはずだが、セレスは「彼ら」と言ってしまっている。ここまでの演技の疲れが出たのか致命的なミスであり、真犯人を詰めるための重要なピースとなった。
おしおき解説「ベルサイユ産 火あぶり 魔女狩り仕立て」
中世の魔女狩りのような、火あぶりの舞台に捕らえられたセレス。処刑人の格好をしたモノクマが藁に火をつけ、セレスの周りが燃え盛り始める。マリーアントワネットのような人物に憧れを持っている彼女からしてみれば本望のような死に様であり、受け入れた表情をしていた。
しかし、そこで終わらせないのがダンガンロンパ。消火のために消防車が走ってきて、そのまま処刑場へ突っ込んでいき、セレスを轢いておしおきが終わる。
尊厳破壊度が素晴らしい。
終わりに
捜査時間中、事件がリアルタイムに進行していくダンガンロンパ無印の中でも特徴的な事件です。2章に引き続き、電子生徒手帳が重要な事件となっていました。
シリーズの全作品をまとめた記事はこちら⇩
4章事件の解説はこちら⇩
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